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劇作家または演出家として

Snufkan[スナフ缶]は、福島県いわき市在住の劇作家・演出家  小林 基 のライフワークとして、または 小林 基が旗揚げした演劇ユニット「演劇結社スナフ缶」のことを指す。

台本書いててすげー苦しい時、過去に書いたやつを読み返している。


馬鹿みたいに粗いやつもあるし、今じゃ到底考えつかない鋭いことが書いてあったりする。


今も相当苦しい。うまくいけば、今書いているこれはかなり変則的な形でお見せできるかもしれないが、ひょっとして駄目かもしれないとも思っている。いや、頑張らねば。頑張りたいのだ。

台本や演技はその人の人生のカタマリみたいなもんだし、名刺みたいなものだったりする。過去に書いたやつを読み返して、自分がどんなやつだったのかを再確認する。


いろいろな人に迷惑をかけたり背中を押されたりして、正直グズグズになりながら作品をまとめようとあがいている。正直もう、なんでこんな(相対的に見て)得にもならず苦労ばかりすることを続けているのか自分でもわからなくなっているが、それでもこれをやめようとは思わない。ただより良きを、伝われと願いながら、何回も何回も書いては消し、書いては消しを繰り返す。
自分が書きたいもののヒントは、だいたいそうした苦しみの果てにぽろりと目の前に落ちてくる。昔あったもの、過去が物書きとしての僕を沼の中から引き上げようと手を伸ばしてくれる。それを掴めるかどうか。運が良ければ、それはできるし、駄目ならもっともがいてみるしかない。思えばずっと旅をしている。いい大人になれず、安定も得られていないが、ただ自分が向かう目的地の価値を証明したいという、妙な夢に取り憑かれている。僕はどこに行こうとしているんだ。いつも頭の隅っこにこれがある。

舞台に立てと声をかけていただき、物語を書けと背中を押してもらえるこのありがたさ、その期待に対する証明を。苦しみの果てにやってくる歓びを、そういうものを信じてもう幾度も繰り返して歩いている。

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